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徳山君(三二)は安田学園を卒業後、明星大学理工学部に入学した。卒業をひかえた四年次には就職が内定していたが、風力エネルギーの研究に対する想いが捨て切れず、研究を続けるために同大学大学院修士課程に進学した。修士論文は、風力エネルギーを濃縮し、出力の増大を計って風力を電力源の一つに位置づけるためのものであった。
大学院卒業後は電力機器メーカーの那須電機鉄工鰍ノ入社し、風力発電や太陽光発電などのエコエネルギーの開発利用に取り組み始めた。まもなく、風力エネルギー研究の権威である足利工業大学の牛山泉教授の指導を受けながら小型風車を用いた新製品の開発に専心した。
職場の仕事と大学での研究を両立させることは並大抵のことではなかったと思うが、入社八年目になる平成十五年九月に提出していた学位論文「マイクロ風車の最適設計形状に関する研究」が評価され、足利工業大学大学院から初めての社会人博士として学位を授与された。
研究対象とした小型風車の効率的な形状などを明らかにし、市街地での風力発電利用にも道を開いた。実験によれば、直径五十センチメートルの風車を用いて、風速四、五メートルで一日七十ワット時の発電量を得ている。既に製作した小型風車は公園灯や時計塔の発電機として製品化されており、二千年度のグッドデザイン賞(日本産業デザイン振興会主催)で金賞にあたる「エコロジーデザイン賞」を受賞した。徳山君は「風車による電力を利用して水素を発生させることや、市街地の一般家庭に設置した風車からの電力を蓄電し、それを随時利用することなどが可能になるであろう。その他にもいろいろな開発利用が考えられる」と抱負を語ってくれた。(文責、担任・栗原義昭)
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