2017年10月、第61回日本学生科学賞東京大会にて、一貫3年の川口拓真くんと吉村翼くんが行っている研究「都市型養蜂は新しい農業なのか?」が中学の部の最優秀賞を受賞しました。研究内容は、学校周辺の蜜源と花粉源をいくつかの方法で検証することです。ミツバチが採取してきた花粉から花粉源植物の種類を同定し、花粉カレンダー(いつどのような植物の花粉を採取してきたかをまとめたもの)を作成し、さらに、ミツバチが巣箱の中で行う「8の字ダンス」と呼ばれる、餌場を巣箱にいる他のハチに伝える行動を解析し、その行動範囲を調べました。その結果、266種類の花粉源植物があることや、公園などの緑の多い場所よりも街路樹や花壇に植えられた園芸植物から資源を得ていることを明らかにしました。この結果から、都市型養蜂が未開拓な花資源を利用する街でもできる新しい農業となる可能性を示しました。この研究はさらに、中央予備審査会で中学の部145本の中から20本に選ばれ、最終中央審査会(全国大会)への出場を決めました。そして「読売新聞社賞」を受賞することができました。

2018年3月、「つくば Science Edge 2018」が、茨城県つくば市の「つくば国際会議場」で開催され、オーラルプレゼンテーション部門(口頭発表と審査員からの質疑応答)にも出場しました。オーラルプレゼンテーションは、応募研究の中から書類審査にて8校のみが参加できます。今年の倍率は10倍を超えていました。オーラルプレゼンテーションでは、日頃の研究成果を国際的に活躍する科学者・研究者の前でプレゼンテーションできる貴重な経験でした。審査員からは「非常に楽しい研究で、今後の展開が楽しみである」「緑化による都市環境の向上につながる」など、今後の将来性を高く評価していただきました。8校の中から上位3校には「科学の研究者にとって必要な視点を伸ばしてほしい」という審査委員の思いから、3つの賞(創意指向賞、探究指向賞、未来指向賞)が表彰されるのですが、本研究は「未来指向賞」を受賞いたしました。この受賞により、2018年7月にシンガポール国立大学(NUS)で行われるグローバル・リンク・シンガポール(GLS)のオーラルセッションへの日本代表出場権を獲得しました。GLSは、日本を含むアジアの7つの国と地域(シンガポール、タイ、フィリピン、ミャンマー、ベトナム、インドネシア)から約200名の中高生が参加する国際大会です。国際舞台に挑戦できる貴重な機会を得ることができました。

この研究以外でも、2017年11月に行われた第6回東京都高等学校理科研究発表会にて一貫4年の飯田和生くんが「セイヨウミツバチは人工甘味料を飲むのか」というテーマでポスター発表し、生物部門で優秀賞を受賞しました。この結果、2018年8月に行われる第42回全国高等学校総合文化祭(文化部のインターハイ)に自然科学部門の東京都代表で出場することも決まりました。この研究は、日本科学協会が行っているサイエンスメンター事業の審査を通り、現在は専門研究者の指導も受けながら進めています。

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生物クラブは現在、中学生、高校生を合わせて20名程度で活動しています。大きな活動としては5月のゴールデンウィーク中に行われる合宿、8月の夏合宿、安田祭での研究発表、そしてさまざまな外部団体の研究発表会への参加があります。日々の活動としては、顧問の小島先生を中心とし、セイヨウミツバチの生態、マルハナバチの生態に関する個人研究、水生昆虫による河川の調査(中学生の共同研究)などを行っております。その他にもクラブ員が興味を持ったテーマに沿って研究をすることもあります。

本校ではマルハナバチを飼育しており、その生態の解明を目的として研究を進めています。現在は「オオマルハナバチの死体排除行動を引き起こすリリーサーの特定」「クロマルハナバチの倍数化と2nオスの判定方法」などをテーマに研究を進めています。また、2014年夏から、セイヨウミツバチの飼育も始め、「都市でできる養蜂を新しい農業にするためには」「セイヨウミツバチは人工甘味料を飲むのか」といったテーマで研究を進めています。特に、都市型養蜂に関する研究は、多くの方に関心、評価をいただきました。

この他にも、意欲のあるクラブ員たちは、日々自分の研究に向かって努力を積み上げています。研究成果は、一朝一夕では出ません。また「いきもの」が相手なので、時には休みを返上して実験することもあります。生物クラブでは、多くのフィールドに出て、さまざまな生き物に触れる中で、生き物の不思議さを知り、そして研究していきます。これは、教室で教科書を読んでいても決して得られないものです。そのさまざまな研究成果は安田祭でも発表しています。是非一度、足を運んでいただけたらと思います。今後も、地道に研究を進めていきたいと思います。

生物クラブ顧問

中 坪 広 明

 

日本学生科学賞とは

未来の優秀な科学者を生み出すため1957年に創設されたもので理科教育に基づく中学・高校の公募コンクールとしては、国内で最も伝統と権威のあるものです。第61回大会では、各都道府県大会で最優秀賞に輝いた作品145本が中央審査会で集められ、予備審査で選出された20本だけが最終審査へと進みました。そして、うち11本が入賞作品に選ばれたのです。