同窓会の皆様には日頃支援賜りまして誠にありがとうございます。中学柔道クラブは、817日から20日まで北海道函館市で開催された全国中学校柔道大会に出場し初優勝することができました。今回の全国大会団体出場は昭和54年に近藤正明監督時代(昭和44年卒業、昭和48年〜昭和56年奉職)に初出場して以来、36年ぶり2回目の出場になります。全国大会は各都道府県の優勝校だけが出場権を獲得します。つまり東京で優勝しなければ全国大会出場することはできません。しかし、東京にはこの5年間4回全国制覇している国士舘中学校の存在が大きいため、2つの指針を掲げて練習しました。1つは全国で勝つことを意識して練習すること、『2つ目は国士舘には勝てないよ』と言う固定観念から来る意識の壁を破ること。そしてミーティングの場を多く作り、東京都予選の決勝で国士舘中学校を22の内容差で破り優勝することができました。副将戦が終わった時点で目標であった全国出場が決まり、その瞬間感激のあまり思わずガッツポーズして喜びを爆発させていました。日頃生徒には試合中は感情を表に出すなと言っていたため、キャプテンの賀持(中3)に「まだ終わっていないので最後までちゃんとやりましょう」と言われたことが強く記憶に残っています。

そして全国大会。816日に選手と一緒に少し緊張しながら函館空港に到着。ロビーに出ると紫紺の生地に赤で「安田学園柔道部OB会」と染められた横断幕が目に入りました。横には新田勲先輩(昭和38年卒業現在函館市在住)がニコニコ笑いながら手を振って迎えてくれており緊張感も和らぎました。聞けば横断幕はこの日のために新田先輩が準備して作ってくれたとのこと。その温かさが北の大地で心に沁みました。大会期間中、新田先輩には毎日会場で大変お世話になりました。選手、応援生徒、保護者たちに差入れて下さった大変な量のパンとその味は忘れられません。またOB会副会長でもある前述の近藤正明先生におかれましては、全国大会出場をわがことのように喜んで下さり、遠く北海道までお忙しい中を日帰りで応援に駆け付けて下さいました。

試合は予選リーグ2試合をともに50で下し、決勝トーナメント1回戦も上宮中(大阪府)に40と無失点で順調に勝ち上がりました。準々決勝で過去5回全国優勝しており今大会の本命と言われる大成中学校(愛知県)と対戦しました。先鋒、次鋒と立て続けに「指導2」で負けて02でリードされる苦しい展開になりました。しかし中堅の金野(中3)が負ければチームの敗退が決まる中で相手のエースに対して互角に渡り合い価値ある「引き分け」、執念で副将の賀持に勝負をつなぎました。賀持は個人戦でも81キロ級で東京都優勝し、全国大会への出場権を獲得していました。しかし全国大会の1週間前に行われた関東大会の個人戦で優勝したものの決勝戦で肩を亜脱臼してしまいました。肩はようやく上がるようになったもののまだ力が入らない状態で、しかも団体戦の2日後に個人戦が控えていました。本人は個人戦でタイトルを獲って全日本強化に入りたいと言う目標も持っていたので団体戦で無理させてよいものか判断の難しい状況でした。大会前賀持本人は、肩がどんな状況になっても団体戦は最後までやりきりますと言ってくれましたが、どこまでやれるか不安を抱えて試合当日を迎えていました。そのような状態でも激しい闘志で攻撃し続け、終了間際に「指導4」をもぎ取り「反則勝ち」。逆転勝利への望みを大将今田(中3)につなぎました。1点リードされて「引き分け」なら負けが決まると言う状況での大将戦。残り時間も10秒を切り諦めかけた時に隅落で「有効」を奪い22の内容差で逆転勝ちしました。大きな山場を越えた後も選手は気持ちが緩むこともなく、また気負いもなく落ち着いていました。準決勝21、決勝20と接戦ではありましたが不思議と負ける気もせずに選手一人ひとりが頼もしく、私はベンチで声を出して指示を出す必要もありませんでした。優勝が決まった瞬間は夢のようで実感がわきませんでした。

本校柔道部は戦前に発足され戦後のGHQにより1時活動が中断されたものの、現在に至るまで脈々と続いております。歴代の顧問には亡くなられた阿部博先生、松本健六郎先生、汲川義則先生の3名と、近藤正明先生(昭和56年退職)、遠山時幸先生(平成22年退職)がそれぞれの世代をつなぎ、今日まで受け継がれています。今回の優勝は、その長い歴史の中でOBが積み重ねてきた思いがつながって果たせたものと、多くの応援を受けて感じています。しかし、優勝したとはいえ、私も含めて選手や部員たちはまだまだ未熟で、ひとりの人間として何も変わるものはありません。大切な事は彼らがひとりの中学生、高校生としてしっかりと学校生活を送り、将来も社会の中で自分の役割を果たしていくことだと思います。それが柔道の創設者嘉納師範の提唱する理念につながるものでもあると考えます。同窓会の皆様にはこれからも温かく見守っていただきますようお願い申し上げます。また最後になりますが、今回の出場にあたり柔道部OB会の白鳥與四男会長(昭和38年卒業)にはOB会から寄付を集めていただきまして、そのお陰で応援生徒も全員連れて行くことができ、北海道でも部員一丸となって戦えましたこと感謝申し上げて報告を終わります。

 

柔道クラブ顧問

川合卓司